「AIで分析の仕事はなくなるかも」と不安だった。でも、需要はまだあると気づかされた話
担当している大規模サイトの分析が、AIの活用で1ヶ月から1週間で終わるようになりました。
本来なら、喜ぶべき変化です。でも正直、データアナリストの私は将来への不安のほうが大きくなりました。
AIは、クライアントも使えます。分析のハードルが下がれば下がるほど、「データの専門家に分析を頼む理由は、どこに残るんだろう」という問いが重くのしかかってきました。
そんな私に先輩がくれたのは「世の中の需要と供給を考えること」という、とても基本的なアドバイス。
言われてみると、思い当たることばかりでした。
1ヶ月かかっていた大規模サイトの分析が、1週間で終わった
実際に1週間で分析を終えたのは、ページ数も検索流入も膨大な大規模サイトでした。
GA4とSearch Consoleのデータを紐付けて、「どの検索がどれくらい成果につながっているか」を可視化するプロジェクトです。コンバージョンを検索キーワードの比率で割り振る推計モデルを設計し、BigQueryで全ページ分集計して、詳細分析まで落とし込みました。
従来は分析からレポートまで1ヶ月はかかっていた規模ですが、AIを活用することで約1週間で完了。ネックになっていたクエリを書く難しさをAIが引き受けてくれたことで、頭の中にあった分析を自分の手で回せる範囲が一気に広がった感覚がありました。
しかし、このスキルの拡張は私だけに起きたことではありません。クライアントにとっての分析のハードルも、同じように下がっています。
AIが出てきたからこそ高まる需要は、「正しさ」と「セキュリティ」
悩んでいた私に先輩がくれたのが、「世の中の需要と供給を考えること」というアドバイスでした。
みんながAIで分析できるようになれば、「プロに分析してほしい」という需要そのものは減っていく。でも、AIが出てきたからこそ高まる需要もあるはずだ、と。
まず思い浮かんだのは、「データの正しさを担保してほしい」という需要。AIでアウトプットを出すこと自体は簡単になりましたが、その確からしさを判断できる人は増えていません。「そもそも見ていたデータが狂っていた」という失敗談もしばしば耳にします。正しいデータへの需要は、AIによるアウトプットが増えるほど強くなっているように感じます。
もうひとつ浮かんだのは、「セキュアな環境でデータを取り扱いたい」という需要。AIによって、これまでデータを専門に扱ってこなかった人が日常的にデータを触るようになり、管理が不十分なまま情報漏洩につながる事故も起きています。「データはセキュアに扱わなければならない」という機運が、ますます高まっているように思います。
そして、「チームのなかに自分の需要を作る」
また、先輩からはこんなアドバイスももらいました。
データアナリスト1人で仕事を完結させるのではなく、コンサルタントなど他のメンバーに正しい分析結果をいち早く届けて、意思決定を加速させ、チームでクライアントの業績を伸ばす。そうやって、自分の需要を作っていく戦い方もあるよ、と。
たしかに今回の大規模サイト分析も、最終目的は分析そのものではなく、どのページにウェブ接客ツールを入れるか意思決定するためのものでした。分析が1ヶ月→1週間で回るなら、続く打ち手の検証サイクルは3週間前倒しできる。それは、すばやい成果創出につながります。
「需要と供給」。マーケティングの基本のような話ですが、専門職として働いていると、つい「自分に何ができるか」という供給側から考えがちでした。「需要」がある場所に、仕事は生まれる。そんな当たり前を、AI時代にようやく自分ごと化できた気がします。
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