「AIを使い倒した結果、CV倍増」と言いたかったけど、成果の直接要因はAIじゃなかった
直近、成果を大きく伸ばせた広告運用案件がありました。
開始3ヶ月でコンバージョン数は以前の約2倍、CPAは半分以下に。
「AIをどんどん使って、いままで以上に成果を上げよう」という会社の方針もあり、このプロジェクトはとくに「AIをとことん使い倒すこと」を意識しました。アカウント設計から広告クリエイティブの作成まで、プロセスのほとんどにAIを絡めています。
その結果、運用業務自体はかなり効率化できました。しかしながら、成果改善の要因はGoogle広告のAI機能である自動入札やAI Maxなどをやめ、手動運用に切り替えたことでした。自分でも、ちょっと皮肉な結果だな、と思います。今回は、この経験を通じて改めて感じたことをシェアします。
顧客インタビューの読み込みからLP制作まで、AIを使い倒した3ヶ月
担当したのは、ターゲットが狭いニッチなBtoB商材の案件でした。
いつもならアシスタントに入ってもらいチームを組んで進めるところですが、今回はAIの協力のもと、大部分を自分1人で回してみることに。実際に取り組んだことを一部紹介します。
- 数百件の顧客インタビューをClaudeに読み込ませ、カスタマージャーニーからキーワード、広告文までを一気に生成。「どのインタビューの発言がどの広告文の裏側にあるか」を追跡できる状態にしておくことで、改善もスムーズに
- CV率ではなく「受注率の高いオファーがどれか」をAIで分析し、それを軸に広告バナーを展開。「リードは取れるけど質が悪い」クリエイティブは端から除外する
- 広告文として反応がいい訴求を、LPのいちばん上の見出しコピーにも自動で反映する流れをAIで設計。広告からLPまでメッセージの一貫性を保つ
クオリティは担保しながらも、工数や外注費は下げる。「生産性の向上」にAIが大活躍してくれた感覚です。
でも成果を動かしたのは、AIではなくアナログな調整だった
ただ、CV数倍増という成果の直接要因を振り返ってみると、そこにAIは効いていませんでした。
数字を動かしたのは、Google広告のAI機能である自動入札やAI Maxなどをやめ、手動運用に切り替えたことです。
おそらくターゲットが狭いこの案件では、十分に機械学習ができなかったのだと思います。手動に切り替えて自分でチューニングしたほうが、コンバージョンが伸びた、というオチでした。
成果を出すために3ヶ月間たくさんAIを活用してきましたが、広告の成果を動かしたのは、皮肉にも「AI機能を使わない」という配信調整でした。
AIを使い倒した先に、成果が待っているわけではない
「AIを使い倒そう」としている時期は、つい「AIをどう使うか」ばかり考えてしまいがちです。「使いこなすうちに成果が出るはず」「AIに任せた方が精度が上がるはず」と、期待までしてしまう。
でも今回私が身をもって感じたのは、
AIを使い倒した先に成果があるのではなくて、「成果を出すためにAIをどう使うか」だ
……ということでした。
AIのほうが成果が出るなら使う。手動のほうが成果が出るならAIは止める。目的と手段をひっくり返してはいけないという当たり前のことに、AIを徹底的に使い倒した先で、改めて気づかされました。
著者情報

SHINYA KIKUCHI
菊池 真也
Marketing Strategist / Consultant
業界歴16年以上。運用型広告のコンサルティング、インハウス化支援、代理店の組織構築などを行う。 成果を最大化するためのチームビルディングが得意。
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